CULTURE

Kindness / world, you need a change of mind

アルバム情報

2012年のデビューアルバム。TORO Y MOI以降のチル・ウェイヴとUKインディー・ダンスを繋ぐ名盤。アーサーラッセルを思わせるのようなダンス・ビートとアンビエントの融合、トーキングヘッズライクなニュー・ウェイヴ感覚、'70s - '80sディスコ・ソウルやAORからの影響たっぷりなスウィートなグルーヴとメロディー、ダブ・ステップやニュー・ディスコにも接近したビート・センス。共同プロデュースは、Phoenixを大成功に導いたフィリップザダル。

アーティスト情報

イギリス出身のアダムベインブリッジのソロプロジェクト。2009年、Moshi Moshi Recordsは、KindnessデビューシングルのSwingin ’Partyし、そのサンプリングセンスと淡いファンクネス、スタイリッシュな音像が話題となる。

カインドネスのデビューアルバムはグラミー賞を受賞したプロデューサー、フィリップザダルが共同制作およびミキシングし、2012年3月16日にリリースされた。その後もソランジュやブラッド・オレンジの作品への参加し、プロデューサーとしての知名度を確実なものにする。

影響を受けたアーティストとしてハービー・ハンコックやプリンス。それにヒップホップやR&Bでいえば、シャーデーやピート・ロック&C.L.スムース、それにケイト・ブッシュも好きだと公言している。また好きな日本人アーティストとしてYMOを上げ、楽曲はもちろんドキュメンタリー映画『Tokyo Melody』も大好きだと話している。身長が191cmあり、アルマーニなどのパーティーに呼ばれるなどファッション界からの注目も熱い。

レヴュー

チルウェイヴ以降の音像をアップデートし、多彩なダンスビートを取り入れた傑作。ディスコやハウスのダンス・フィールをユルいグルーヴで捉えたファースト・アルバムはセンスあふれるサンプリング、揺れ動くグルーヴ、淡いファンクネスをベッドルームからアーバン・シンセ・サウンドとして鮮烈に提示し、2010年代以降のミュージックシーンの一つの指針を示したと思います。

プロデュースは、Phoenixを大成功に導いたフィリップザダル。Cherrelleの「Saturday Love」をサンプリングしたメロウアーバンな1曲目からはじまり、80年代TVドラマ『Eastenders』の主題歌をブルー・アイド・ソウル調にカヴァーした3曲目、ディスコファンク名曲「Gee up」と続きます。

Trouble Funk「Still Smokin'」使いの『thats alright」など、サンプリングネタもリスペクトあるもので素晴らしいです。影響を受けたと公言しているプリンスやシャーデー、ピーとロックなどの90’Sヒップホップなどのエッセンスが十二分に発揮された、瑞々しい傑作デビューアルバムだと思います。

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