
トーイ
メンバー全員が名プロデューサーで名プレイヤーでもある彼らの実力がひしひしと伝わる熱量の高いアルバムです!
アルバムについて
2013年にバンド活動を休止してから、復活を待望されてきたOvallのセルフ・タイトルを冠した渾身のニュー・アルバムです。
Ovallの「今」が詰まった本作には、彼ら曰く「ただ"良い音とは何か"を徹底的に追究し完成した究極の9曲」が収録されています。
近年ローファイ・ヒップホップやインディーR&Bなど、ひとりでトラック制作を行う手法が主流になりつつありますが、それとは一線を画したバンド・サウンドならではのグルーヴの妙が随所に光ります。
それと、全員がトラックメイカーだからこその細部にまで行き渡ったアレンジ力が楽曲を強固なものにしています。
また、今作ではあえてインスト曲をアルバムの半分入れたそうで、そのことからもバンドとしての原点回帰と同時に自信がうかがえます。
時代やシーンに捉われず、これが「Ovall」と宣言したバンド名をアルバムタイトルにしたのもうなずける、素晴らしい作品です。
Ovall(オーバル)について
Shingo Suzuki、mabanua 、関口シンゴによるトリオバンド。メンバー全員がソロアーティスト/ミュージシャン/プロデューサーとしても活動するマルチプレイヤー集団。2006年から現メンバーでの活動を本格化、現在に至るまでジャンルよりもミュージシャンシップを軸に置く姿勢を貫く。
ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ロックを同列に並べ、生演奏もサンプリングもシームレスに往復し、楕円(オーバル)のグルーヴの中に音を投げ込む。その斬新なスタイルと唯一無二のサウンドは徐々に時代を吸い寄せ、国内外の映像作家、映画監督、そして様々なアーティストからプロデュースやコラボレーションの依頼が殺到。
それぞれがソロ活動を活発化させるが、個々が多忙を極めたことが諸刃の剣となり2013年にバンド活動を休止、それぞれの表現を追い求め始める。しかし「この3人ならではのアンサンブルが聴きたい」という要望が絶えず、メンバーもその思いに応える形で、4年の歳月を経て2017年に再始動。
直後よりFUJI ROCKなど国内の大型フェスに出演、そして世界中のアーティストとのコラボレーションや海外でのライブツアーも行う。ソロ活動で培ったスキルやノウハウをお互いに持ち寄り、今日もバンドは楕円を描きながら転がり続ける。
使用楽器について / 関口シンゴさん編
僕はギターを弾くので、Ovallギタリストの関口シンゴさんの機材に注目したいと思います。ギターはいくつかメインで使用されているようですが、手に入れられやすいものを紹介します。

トーイ
ちなみにDAWはLogic proを使用しているそうです。また、ギターの音作りはほとんどプリセットのアンプモジュレーターだそうですよ。
Fender Stevie Ray Vaughan Stratocaster
シングルコイルの音色が欲しい時はこのストラトを使う機会が多いそうです。ジミヘン、クラプトン、SRV、ジョン・メイヤー、そしてトム・ミッシュという系譜が好きなので、やっぱりストラトが好きなのだとか。すっごくわかります(笑)
Epiphone Casino
このギターは譲ってもらったそうで、おそらく80年代の日本製エピフォンカジノではということです。ピックアップがP-90ですね。
セミアコとしての鳴りもすごく良いらしく、アンプを通さなくても楽しめるということで自宅で手に取ることも多いそうです。
本人のYoutubeでもよく弾いているのを見かけます。めちゃくちゃいい音!
NEKTOR IMPACT LX61
DMT周りをみてみるとMIDIキーボードはNEKTOR IMPACT LX61を使っているみたいです。この機種の特徴として、プラグインをインストールしてPCとつなげるだけでDAWとキーボードの各ボタンが同期するということ。
僕も同じ機種を利用しているのですが、これがめちゃくちゃ便利です!おすすめです。
参加、関連アーティストについて
Ovallのアルバムには過去の作品も含めて、国内外から気鋭のアーティストがいつも参加しています。
今回のアルバムでは、バンドとしての実力を十二分に発揮するためにも、あえてゲストはあまり呼ばなかったそうですが、そんな中でも参加したアーティストを紹介したいと思います。
Armi Millare from UDD(Up Dharma Down)
2004年結成、フィリピンの最重要インディーロック/ポップバンドのUDDからヴォーカルのArmi MillareがM2で参加しています。
UDDはUS/UKインディーロック、アシッドジャズ、ネオソウル、シンセポップ、日本のシティポップなど多様な音楽をクロスオーバーさせ、これまで三枚のフルアルバムをリリースしています。
僕のオススメ曲
Come together
個人的には本アルバムのベストトラックです。mabanuaのヴォーカル、跳ねたキーボード、かなり太いベース、ラストでぐいぐいとソロを引っ張る激しめのギター、すこしサンダーキャットっぽいところもあったりと美味しいところだらけです。
まとめ
Ovallの初期のヒップホップ〜アシッドジャズ〜ブレイクビーツを主体としたアルバムも良いですが、復活後のバンドサウンドも素晴らしいです。特にmabanuaさんのドラムはすごいなあーと改めて思います。
ドラムのことがよくわからない僕でも、mabanuaさんのドラムは聴いただけで彼のドラムだってわかります。ベーシストのShingo Suzukiさんいわく「四つ打ちをやらせたら日本で一番うまいドラマー」というのもうなずけます。
とにかく復活を果たして久しぶりのオリジナルアルバムということもあって1曲1曲のクオリティが非常に高くて、細部まで神経が行き届いていてかなり作り込んでいるなーという印象です。

トーイ
アルバムツアーはコロナウイルスの影響で延期になってしまったのですが、是非早く彼らの演奏をライブで見たいです!